腱板断裂修復術後のセルフトレーニング1~5(可動域改善の前期:術後6週~12週)

腱板断裂術後

可動域改善(肩関節の拘縮予防を中心に取り組む時期)

この時期は、固定装具が外れてくる時期でもありますし、肩の可動域を少しずつ広げていく時期に入ります 。同時に、肩甲骨と体幹をうまく使って、代償動作を減らす練習が重要と考えています。

この時期の目的

肩の硬さ(拘縮)を予防する

患者さんへのメッセージ

「少しずつ動かし始める時期です」

セルフトレーニング

1.三角筋のマッサージ

2.腋窩Tレフストレッチ

3.棘上筋のマッサージ(下垂位内外旋)

4.太ももさすり

5.深呼吸を使った下垂位内外旋

注意点

固定装具が外れて間もないころは

まず「装具が無い状態での違和感、不安感を解消できるように」が合言葉!!

「自分の腕ではないみたい」「腕が重い」となっても心配ありません。

装具が無い状態でリラックス!

装具装着期間中に行っていた、手・肘・肩甲骨を動かす訓練を継続しながら、

上記、セルフトレーニングの中の1~5の運動を開始しましょう。

これは今すぐでも出来ます!!

運動の詳細は以下説明していきます。

三角筋のマッサージ

腋窩(後ろ脇)Tレフストレッチ

Tレフストレッチとは?

TとはTreiningの略で、レフとはRefined(筋肉の緊張がほぐれ、リラックスしている状態を意味しています)のこと。

深部のインナーマッスルを精密に動かすこと、筋肉と筋肉が重なり合っている所や、その間を刺激したり、意識させたいポイントを理解することで、身体の動きを良くすることを目的として使われるストレッチ。

今回は術後の肩関節及び肩甲骨周りの違和感や痛みの緩和、筋肉の緊張をほぐすためにお勧めしています。

術後早期はそんなに動かせれません。

「動く範囲内で」、「痛みの出ない範囲で」、「肩はすくまないように」を注意しながら行いましょう。

掴んだ脇の下の筋肉が、指の腹で動いていることを感じながら、かつ気持ちよさを感じれれば上手くいってます。

「何回まで」とか「何分やりましょう」とか特にありませんが、気持ちよさや動かした後の軽さが感じれればいいと思います。

棘上筋のマッサージ(下垂位内外旋)

こちらの運動も「動く範囲内で」、「痛みの出ない範囲で」を合言葉に行いましょう。

指先で押さえている下の筋肉(棘上筋)が、指の腹で動いていることを感じながら、かつ気持ちよさを感じれれば上手くいってます。

少しづつ前後左右に位置を変えながら気持ちのいいところを探してみても良いと思います。

目的は「筋肉を緩める」「リラックスさせる}です。

太ももさすり

スタート位置のように手のひらを太ももの上に載せます。

そしてその手のひらを前方に滑らします。

まずは太ももの上を膝頭まで、行ったり来たり。

➂の写真のように手前に引く際は、引きすぎると痛みが出るかもしれませんので

無理せず動作の範囲を調整してください

応用編:運動の拡大

同様に太ももさすりの運動ですが、

運動の範囲を大きくしていきましょう。

応用編:外側へスライド

今度はさする手のひらを膝の外側にスライド

意識してほしいポイントは

➂で脇を締めるようにしながら、少しだけ胸を張るようにすると、降ろしていく両腕が④の写真の緑の矢印のように少しづつ外に回るようになります。

腕を降ろすことで、腕が前に開き外に回る複合運動が起きてきます。しかも安全に行えるように手のひらは常に足に設置させていますので、急激に腕を持ち上げたり、振り回したりすることなく動作が行えると考えています。

応用編:内側へスライド

今度はさする手のひらを膝の内側にスライド

➂でしっかり肘を伸ばすようにしながら、少しづつ背中を丸めるようにすると、こちらも降ろしていく両腕が④の写真の緑の矢印のように少しづつ内に回るようになります。

④の写真のように、手のひらをふくらはぎの内側に沿って手を降ろしていく際に、腕や背中に力を入れすぎると、痛みが出るかもしれませんので

無理せずゆっくり動作行ってください

あくまでも手のひらをスライドさせながら「出来るかな・・出来るかな・・・」っていう感じで慎重に行うことも大切と考えています。

深呼吸を使った下垂位内外旋

腕を降ろして肘を伸ばした状態で、

深呼吸をしながら、胸を張る(息を吸う) ⇔ 背中を丸める(息を吐く)。

合わせて降ろした腕は、

胸を張る(息を吸う)の時に手のひらを外に向けて腕を回す!

背中を丸める(息を吐く)の時に手のひらを内側に向けて腕を回す!

この複合運動をやってみましょう。

何十回も行う必要はないと思います。

むしろ気にする点は、ゆっくり行うこと。そのあとに脱力してリラックスすること。

回数は5回前後で十分です。

私の知らない腱板断裂術後の患者さんにも、回復という様々な通過点を一緒に伴走し、「こっちですよー」って、まっすぐゴールに向かえるようにガイドしていきたいと思います。

私の経験と知識が、これから活躍される皆さんのお役に立てれば幸いです。

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